小川珈琲
IKEBANAで華やぐ京の街
伝統に根ざした文化の魅力を発信できる若い世代の観光関連従事者の育成事業。
小川珈琲のスタッフの皆さまが、未生流笹岡家元指導のもと、ブランドならではのアイデアやデザインを取り入れながら、
いけばなを用いたアート空間を演出しました。
2022年2月11日にオープンした「小川珈琲 堺町錦店」のコンセプトは100年先も続く店。
有機、フェアトレード、炭火、京都産小麦、佐々木酒造の米麹を使ったバターなど、食へのこだわりが詰まっている。
古建築をリノベしたスタイリッシュな空間も美しい。
2階のギャラリースペースで、家元の講演に続いて、7名の参加者による大作のいけこみ。
最初は恐る恐るといった感じに枝を挿していた参加者たちも、時間を経るごとに積極的になり、 「こうしてはどうか」「いや、こちらの方がよい」などと、ディスカッションしながら手を動かしていく。 「隣り合う花の高さを変え、すべての花に異なる意味を見出す」「足もとに花を加えると全体が引き締まった印象になる」 といった家元の助言も的確にこなし、レベルの高い作品が仕上がった。
皆で試行錯誤を繰り返し、協力しあって一つの作品をいけあげることは、コミュニケーションの手段としても非常に有効であると感じた。
今回のプログラムは、コブシで構成した左右非対称のデザインを基調に、ツバキ、レンギョウ、モモ、ハナカイドウなど、様々な花を加えていくもの。
左右非対称のデザインの魅力は、懐の深さ。別の花が入ることによって、その調和がくずれるのではなく、より豊かなものになる可能性を秘めている。
不完全で未完成だからこそ、懐が深いのだと、肌で感じてもらうことができた。
続いて、店舗の備品を用いて小作品をいけていただくことに。
左右非対称や高さの異なる3要素で構成する「天地人」のデザインなど、学んだことを生かしながら、趣向を凝らした力作が並んだ。
最後に各自がそれぞれの作品をプレゼンし、家元が講評を行った。
参加者の皆さんとの会話の中で、「花と珈琲は似ている」という話が出た。
いずれもそれが無ければ生命が維持できない訳ではないが、私たち人間にとってきっと必要なもの。
今後、働き方が変わっていく中で、大切になってくるのが余暇の使い方になる。
余暇に、珈琲や花を媒介にして人と人とが交わる中で様々な刺激を受け、新たな気づきを得ることがイノベーションにも繋がるのだ、と。
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大作
コブシ、レンギョウ、ハナカイドウ、モモ、ツバキ、ダリア、バラ、エピデンドラム、ストレリチア、リキュウソウ、アリウム、カラー
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アンティーク鐙に
ボケ、ツバキ
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繁栄
ハナカイドウ、ツバキ、バラ
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小さく始める
モモ、サンシュユ、ハナカイドウ
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おうちの庭
アリウム、リキュウソウ、テマリソウ、 サクラコマチ
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春
ハナカイドウ、モモ、 エピテンドラム
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大きなカップと小さな花
ハナカイドウ、コブシ、バラ
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まもなく春
モモ、ツバキ、レンギョウ
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いちごラテ
モモ、カラー、イチゴ